1. 制度の背景・目的
近年、無人航空機の利用者の増加に伴い、事故等も増えていくという課題が発生しました。無人航空機の事故があったとしても、所有者が届出をしなかったり逃げてしまったりすると、所有者がわからない・原因がわからない・どのような機体を使っていたのかわからない…といった問題がありました。
そこで、無人航空機の適切な運用を確保するため、以下を目的として機体登録制度が導入されました。
- 事故発生時の所有者把握
- 事故原因の究明と安全対策
- 安全上問題のある機体の登録拒否
2. 登録制度の概要
- 100g以上の無人航空機 は国の登録が必要(有効期間:3年)
- 登録記号の表示 と リモートID機能 の搭載が義務付けられる(一部例外あり)
無人航空機の所有者が機体を登録することで、所有者情報と機体情報を紐づけて管理することができます。これにより、万が一事故があった際も、所有者や機体の情報を即座に把握することができます。
近い例として、自動車のナンバープレートをイメージしてもらうとわかりやすいです。
3. 登録できない機体
- リコール対象 や事故多発の機体
- 突起物があり衝突時に危険な機体
- 飛行制御が困難な機体
DJI等のメーカーから販売されている機体であれば基本的には登録可能です。
4. 登録手続きと記号表示
- オンラインまたは書面で申請し、手数料を支払い登録記号を取得
- 記号は 外部から確認しやすい場所 に耐久性のある方法で表示
最大離陸重量 25kg 以上の機体は 幅 25mm 以上
最大離陸重量 25kg 未満の機体は 幅 3mm 以上
- 所有者情報の変更時は届け出が必要
- 登録は 3年ごとに更新が必要
5. リモートID機能の義務
- 識別情報を電波で発信 する装置を搭載(内蔵型または外付型)
DJIの場合、2024年10月時点で、以下の機体がリモートID対応(内臓)しています。
DJI Air 3S、DJI Neo、DJI Inspire 3、DJI Mini 4 Pro、DJI Air 3、DJI Mavic 3 Pro、DJI Mavic 3、DJI Mavic 3 Classic、DJI Mini 3 Pro、DJI Mini 3、DJI Mini2、DJI Mini 2SE、DJI Air 2S、Mavic Air 2、DJI Avata 2、DJI FPV
※今後発売される機種については対応となります。
リモートID対応していない(内臓していない)機体については、外付型のリモートIDを購入し、無人航空機に積載して飛行させる必要があります。
- 例外(リモートID不要)
- 2022年6月19日以前 に登録された機体(制度開始の移行期間に認められた特例)
- 指定区域 内で補助者配置や安全措置を講じた飛行
- 30m以内の紐で係留した飛行
- 警察や海上保安庁の秘匿業務
6. リモートIDの発信情報
リモートIDが発信する情報には静的情報と動的情報の2つがあります。
- 静的情報:製造番号、登録記号
- 動的情報:位置、速度、高度、時刻(1秒ごとに発信)
※ 所有者情報は含まれない。
この制度により、安全性を確保し、無人航空機の適正な運用を促進しています。